産業春秋/九州と韓国の交流

(2019/11/26 05:00)

韓国・大韓航空の貨物定期便が30日、北九州空港に就航する。九州と中・四国の貨物を週2便、仁川国際空港を経由して世界に送る。

大韓航空が北九州空港に定期貨物便を就航させるのは初めてだ。同社の大型貨物専用機は米ロサンゼルスを起点に、24時間空港の北九州に5時半に着き、荷物を載せて8時半韓国に向けて出立し、10時過ぎには仁川に着く。

半導体や自動車部品のほか、生鮮食料品なども扱う。関西国際空港や成田空港を経由していたが、九州から送ることで時間短縮が図れる。北九州市は、物流量の増加に期待する。

徴用工判決や日本による輸出手続きの厳格化への反発など、日韓関係は戦後最悪の状態に陥っている。旅客便は休止が相次ぎ、10月の訪日韓国人旅行者は前年同月から約66%も減った。それだけに大手航空会社の就航は驚きを持って迎えられた。

だが距離が近い九州と韓国との間で交流は途絶えていない。来年3月には日中韓3カ国による東アジア文化都市事業が北九州市を舞台に始まる。両国の政治は冷え切っているが、双方の国民の多くは憎しみよりも友好を望んでいるはずだ。今は政治と観光が難しくても、物資の貿易や文化で交流を続ければ、きっと春は来よう。

(2019/11/26 05:00)

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