産業春秋/災害に向き合う損保

(2019/11/27 05:00)

大手損害保険グループ3社の2019年4―9月期決算は全社とも増益だった。だが、10月の台風19号による保険金支払いが反映される20年3月期決算見通しは3グループとも下方修正。大規模自然災害は今年度も損保の決算に大きな影響を与えるようだ。

損保には再保険の活用や異常危険準備金の取り崩しで巨額の保険金支払いに備える独自の仕組みがある。このため大規模自然災害が直ちに業績を左右することはない。しかし再保険や危険準備金を使ったら、再保険料の引き上げや危険準備金の積み増しが必要になり、先々の利益を圧迫する。

各社は10月1日に5―10%ほど保険料を引き上げたばかり。これは16年以前の保険金支払いを理由としたもので、昨年の台風21号、24号に伴う保険金支払いは反映されていない。

さらに大規模自然災害で大手3グループが支払う保険金の合計は、この1年で1兆円近くになる見込みとあって、保険料引き上げの圧力は一段と強まる。

今後も大規模自然災害の発生は避けられない。損保業界は各地のハザードマップや企業の事業継続計画(BCP)作成といった減災対策に取り組むが、相次ぐ災害とどう向き合うのか。各社の底力が試されるところだ。

(2019/11/27 05:00)

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