(2019/12/19 05:00)
「2019年はソサエティー5・0に向けた動きが社会全体で一気に加速した」と電子情報技術産業協会(JEITA)会長でNEC会長の遠藤信博さん。「来年の東京五輪や25年の大阪・関西万博を控えて、未来を考える機会が増えたことも要因だろう」と話す。
ITはエレクトロニクスや通信の業種区分を超え、社会全体の価値創造の原動力になった。「JEITAも定款を変更し、門戸を広げた。会員数は右肩あがり。工場の保安や住宅など業際分野の議論を進めている」という。
18日に発表した「電子情報産業の世界生産見通し」によれば、20年の生産額は3兆ドルと過去最高の大台を見通す。懸念される米中貿易摩擦も「トランプ米大統領が再選に向けて(争いを避ける)スタンスを決めたと想像する」と楽観的。
高速・大容量の第5世代通信網(5G)の需要は30年まで平均63・7%増の急成長を予想。「これからの国の競争力は5Gの進展が軸になる。日本ではローカル5Gが非常に速く進むのではないか」と期待を示す。
問題は、そうした投資を日本勢が獲得できるかどうか。同じ発表によれば、海外生産を含む日系の生産額は19年は微減、20年は横ばい見込みだ。奮起を期待したい。
(2019/12/19 05:00)