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(2020/2/3 05:00)
肌の透明感、分かりやすく
(総合1から続く) 慶応義塾大学と同大大学院で生命情報科学を専攻するうち、研究結果を成果物として報告することに喜びを感じ、研究員を志しました。化粧品やスキンケア商品はデータや効果よりも“かわいさ”といった外面的な部分が重視されることがあります。当社はこれらの製品でも医薬品と同水準の品質を担保し、効果においても科学的な根拠を示します。この企業理念であれば、自分が信頼し、周囲に自信を持って勧められる製品作りを追求できると感じ、入社を決めました。
難しい仕事が形になった時は充実感があります。最近は官能的な基準である「透明感」を数値で示すため、独自の評価系を確立しました。まず、さまざまな人の肌の写真を用意し、それぞれの肌にどれほど透明感があるか回答してもらい、視覚的な評価を作成しました。次に同じ肌の写真を画像解析し、得られた数値と人の視覚的な評価の相関性を分析しました。結果、人が感じる透明感は画像解析による「明るさ」と相関が特に高いことが分かり、さらに「色味」のバラつきを加えることで、より高い相関が示されることを解明しました。透明感を明確な数値で示せるようになったことで、自信を持って製品をお薦めできると考えています。
手がけた製品が店頭に並んだ時は誇らしい気持ちになります。初めて担当した化粧品のコンシーラーが発売された時は祖母に贈り、とても喜んでもらえました。お客さまに「長年愛用している。代わりがきかない」と言ってもらえるような製品を生み出すのが夢です。
シェットランド・シープドッグを2頭飼っており、一緒に遊んだり散歩したりするのが、大好きな息抜きの時間です。(文=小野里裕一、写真=森住貴弘)
◇第一三共ヘルスケア研究開発部開発第二グループ 土岐珠未(とき・たまみ)さん
(2020/2/3 05:00)