(2020/2/20 05:00)
産業界で新製品開発時のキーワードの一つが「環境負荷軽減」。建設機械業界も例外ではなく、現在は特定特殊自動車排出ガス規制法(オフロード法)の2014年基準に適合した建機を市場に投入している。
建機各社が注力するのが「電動化」だ。排ガス抑制や低炭素を目指し、自動車では電気自動車(EV)が続々と実用化されているが、建機の電動化はまだ開発段階にある。
技術的に不可能ではないが、建機は走行するだけでなく、「掘る」「つかむ」「動かす」といった動作にも大きなパワーが必要になる。稼働時間を長くするには、大量の蓄電池が必要になり、結果としてコストが増大する。
先進国では、環境規制が年々強化されている。近い将来、完全電動化が義務付けられる可能性もあり、欧州を中心に電動化へのニーズも高まってきている。建機各社はまず、低出力のミニショベルで電動化の開発を薦める。バッテリーの大きさが課題だが、コマツは20年度に踏み出す計画だ。
中国経済や資源相場といった外部環境の影響を受けやすい建機の中で、都市部での利用が多いミニショベルの需要は比較的に安定している。電動化で先行できれば、国際競争の中でも優位に立てるはずだ。
(2020/2/20 05:00)