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(2020/3/22 05:00)
コア技術は半導体用マザーボードや配電盤のケーブル制作、装置組み立て
「ロボットはどういうものか、日々手探りで勉強している」と話すのは、南相馬市にある栄製作所の鈴木力社長。同社は、NEC宮城(現:セレスティカジャパン)向けのケーブルハーネスメーカーとして1974年に設立。半導体用マザーボードや配電盤のケーブル制作、装置組み立てなどをコア技術とする。
東日本大震災発生時は、天井が破損した程度で、翌日には出社できる状況だったが、福島第一原子力発電所から25キロメートル圏内にあったため、事故により避難を余儀なくされた。それでも、鈴木社長は「顧客に製品を納める責任がある」と3月23日には操業を再開。「取引先や同業他社からの支援がなかったら到底維持できるものではなかった」(鈴木社長)と当時を振り返る。
震災後の2013年、福島県で毎年開催される医療機器関連産業展示会「メディカルクリエーションふくしま」での出会いをきっかけに、会津若松市でサービスロボットの研究開発を行うアイザックとクローラロボットの開発に着手。同社の技術を搭載したクローラロボットは、教材用としてテクノアカデミー浜など県内の教育機関で活用されている。
今年8月に福島ロボットテストフィールドで開催されるワールドロボットサミットの競技会出場も視野に入れる。南相馬ロボット産業協議会で鈴木社長が代表を務めるロボット開発研究会は先ごろ、出場に向け会員企業連合と開発を進めてきた「MISORA」を披露した。「ロボットに携わっていきたい」と語る鈴木社長の意欲は、地域に芽吹きつつある新たな産業を力強くリードする。
株式会社栄製作所
連載#19
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(2020/3/22 05:00)