(2020/4/24 05:00)
急激に低下した世界の経済活動をどう再開していくのか。各国が模索し始めた。一方、日本はまだ先行きの見通しを立てられない状況だ。
国際通貨基金(IMF)は2020年の世界の経済成長率をマイナス3・0%と予測した。リーマン・ショック後の09年のマイナス0・1%よりはるかに悪化し「大恐慌以来の不況」と分析。「持続期間や深刻さについては不確実性が高い」と指摘した。
国別では、大規模都市封鎖で経済活動が停滞した欧米が深刻で、米国がマイナス5・9%、ユーロ圏がマイナス7・5%。特に感染拡大で医療崩壊を招いたイタリアはマイナス9・1%となっている。日本はマイナス5・2%。
経済の回復には、感染の収束が大前提だ。感染源の中国は、新規感染者が大幅に減少していることから経済活動の再開を進めている。
欧米でもピークは過ぎたと見る国が出てきた。米国はトランプ大統領が、感染者の少ない地域から段階的に外出や経済活動の制限を解除する方針を示した。同時に追加の経済対策を含め総額3兆ドルに近い財政出動を決めた。ドイツも小規模小売店の営業再開を始めた。一方でフランスやイタリアでは、外出禁止が延長されるなど、対応は分かれている。
日本は感染のピークがいつかはまだ見えていない。政府は、5月の大型連休終了の前に、新規感染者数の動向など緊急事態宣言による外出自粛への効果を検証し、地域ごとに解除の可能性を判断するという。
IMFは今年の世界貿易量が前年より11%減少し、4―6月期の成長率は最悪を記録すると予測する。年後半から経済活動が回復すれば、21年にはプラス成長が見込めるが、感染拡大が長引けば2年連続のマイナス成長となる可能性もあり、予断は許されない。
各国は感染抑え込みへさらに努力を重ねつつ、ピークアウトや収束を踏まえた経済活動の再開を検討する状況にある。日本も歩調を合わせられるかは、これからの大型連休中の感染者数の推移にかかっている。
(2020/4/24 05:00)
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