(2020/5/28 05:00)
新型コロナウイルス対策で働く人の意識は変わったろうか。日本生産性本部が実施した意識調査からは、変化することの難しさが読み取れる。
働き方が「変わった」との回答は約6割。具体的施策は「特にない」が46・3%と最多だった。「自宅での勤務」は29・0%、「時差出勤」が16・3%などで「柔軟な働き方が一般化したとは言えない」と分析している。
なにかと話題のテレワークには約6割が満足しており、同じく6割強が感染症収束後の継続に肯定的だ。一方でデータの共有や自宅の執務環境などの課題はあり「特に課題を感じていない」はたった8・4%。さらに自宅勤務で効率が「上がった」との実感は3割強しかない。
日立製作所が、コロナ収束後も在宅勤務を標準とした人事制度の見直しを行うと発表した。時間ではなく仕事の成果で評価するいわゆるジョブ型への移行など、働き方改革を一気に進める。同時に自宅での業務に必要な経費も補助するという。
コロナと共存した経済活動のあり方が問われている。多様な働き方で生産性を向上させるために試行錯誤がなされるだろう。ただ、働く人の気持ちが改革に付いていかなければ、成果は乏しい。各社で話し合いを進めてほしい。
(2020/5/28 05:00)