(2020/6/10 05:00)
国民一人ひとりに割り当てられたマイナンバーと銀行口座をひも付ける法改正が検討されている。新型コロナウイルス感染症による現金給付の遅れが問題となるなか、対応策として浮上した。
自民党などが、本人の同意を得て、口座情報とマイナンバーを載せた「口座名簿」を作成・管理するなどの議員立法を衆院に提出した。政府は2021年通常国会提出を念頭に、国民1人につき一つの預貯金口座をマイナンバーとひも付けを事実上義務化する法案の検討に入った。一方で全口座のひも付け義務化は、国民の抵抗が大きいことから見送った。
将来発生する可能性のある新たな感染症や大規模災害時に、迅速に現金を給付するなどの活用が想定されている。
具体的にどうやって口座を収集し、誰がどのように管理するのかなど、不明なことは多い。預金残高が把握されてしまうのか、情報漏えいのおそれはなど、国民の不安感を解消するよう、丁寧な説明をしていかなければ、実効性は乏しいかもしれない。
コロナ禍で露呈した政府の対応遅れを解消する施策となるなら、今回のひも付けにも意義がある。ことあるたび役所に人が殺到し、給付に長い時間がかかるような事態は、そろそろ終わりにしたい。
(2020/6/10 05:00)