(2020/6/16 05:00)
日本の小惑星探査機『はやぶさ2』は年末の地球帰還を目指し、9月まで第2期イオンエンジンを運転中。担当者は「何もすることがないぐらい順調」と、トラブル続きだった初代との違いにニッコリ。
深宇宙なら新型コロナウイルスに無縁かと思えば、さにあらず。宇宙航空研究開発機構(JAXA)准教授の吉川真さんは「(制御する)管制室に入れなくなったら大変。予防を徹底し、人も減らした。帰還予定地の豪州との打ち合わせも対面では出来ない」と悩みを話す。
ハードルは残るものの、帰還が見えてきたことで注目されるのが延長ミッションだ。採取した試料を搭載した耐熱カプセルを分離した後、探査機本体が他の天体を目指すことは当初から想定していた。
地球到着時に燃料は55%が残る予想。イオンエンジンの設計寿命は1万4000時間だが、同型機の地上実験では6万時間の稼働に耐えている。余裕はありそうだ。
吉川さんは「行けそうな小惑星は300くらい。フライバイ(近傍通過)ではなくランデブー(接近遭遇)したい」と意欲的。小惑星『リュウグウ』への往復とは違う片道飛行だが、その分、遠くに行けるわけだ。新たな宇宙の謎に挑む“第2幕”が待ち遠しい。
(2020/6/16 05:00)