(2020/7/17 05:00)
将棋の高校生プロ棋士、藤井聡太七段が16日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された棋聖戦五番勝負第4局で渡辺明棋聖(棋王、王将との三冠)を破り3勝1敗で初タイトルとなる棋聖を獲得した。
19日に18歳の誕生日を迎える新棋聖は史上最年少で8大タイトルのひとつを獲得。通常タイトル戦は全国各地のホテルなどを転戦するが新型コロナウイルス感染症の影響で、くしくも本拠地的な存在の会館がその舞台となった。
百戦錬磨の第一人者を下した藤井棋聖は王位戦七番勝負も進行中。“千駄ケ谷の受け師”の異名を持ち、粘り腰に定評ある木村一基王位を相手に第2局まで連勝。二冠獲得にも近づく。
木村王位は現在47歳。初タイトル獲得時の最年長記録を昨年更新した。年齢差が話題の勝負だが、遅咲きの「中年の星」に肩入れしたくなる将棋ファンはどっちを応援するか悩ましいところかも。
将棋に限らず「ノブレス・オブリージュ」という言葉がある。高い地位に伴う義務があることを示す。タイトル保持者となった藤井棋聖は対局以外でも相応の品格、立ち居振る舞いが求められる。17歳には酷だが一挙手一投足が常に注目される身。自分を信じ奮闘を続けてほしい。
(2020/7/17 05:00)