(2020/10/13 05:00)
耐火認定を取得した不燃木毛セメント板
福島県浪江町で木毛セメント板の製造販売を行う日化ボード。同社は東日本大震災以降、国土交通大臣の定める「耐火認定を取得した不燃木毛セメント板」販売に力を入れてきた。
同社の不燃木毛セメント板は火災発生時の避難を妨げることがないように定めた、内装制限が厳しくなってきた東京都内や関東圏向けに多く採用されている。東京都港区の新設竣工したビルの一部に採用された。同社は同製品の新たな販路として、塩ビ樹脂や加硫ゴムを主成分としたシートを貼りつけるシート防水に着目。近年、工期が短く安価なため着目されているためだ。
同社は建物の屋上で使用されるシート防水材を製造するアーキヤマデ(株)と協力し、耐火と防水を併せ持つ屋上用資材を開発した。建築基準法の定める耐火30分の試験に合格し、今年の10月には認証を受ける見通しだ。これにより、金属使用を減らすことでコストを下げながら、耐火性能に優れた製品が完成した。また、通常よりも施工期間を短くすることができる不燃木毛セメント板とシート防水材の掛け合わせにより、短納期を実現した。同製品について、朝田英信会長は「民間のプレハブ建築物は短納期を求められる傾向にあり、需要はあると考えている」と話す。
一方で課題としては人手不足がある。東日本大震災前は2万人以上いた浪江町の人口は減少を続け、慢性的な人手不足に陥っているからだ。また、新型コロナウイルスの流行に伴い他県への出張が出来ず、商談が進んでいない。それでもコロナウイルス収束後を見据え、生産能力の向上と新規顧客の獲得を進める。
日化ボード株式会社
連載#04
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(2020/10/13 05:00)