(2021/1/18 05:00)
新型コロナ感染症の抑制に実効性を持たせる法改正へ、与野党による真剣かつ迅速な審議を求めたい。
通常国会がきょう召集される。新型コロナ感染を減らし、経済を成長軌道に乗せるための政策が最大のテーマとなる。
政府は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)や「感染症法」の改正案を提出する方針。営業時間短縮に応じない飲食店などの店舗に対する罰則や、感染の陽性者が入院勧告を拒否したり保健所の調査を拒んだりした場合の罰則の創設などが検討されている。
私権の制限につながるものであり、個人の権利や生存権にも関わるだけに国民の理解と協力が不可欠だ。
保健所調査の拒否件数はどの程度あり、それが感染拡大にどんな影響を及ぼしているのか、感染症対策を十分講じている店舗と全く行っていない店舗が同じ扱いでよいのかなど、具体的な数値や事例を公表し、国民が法改正の必要性を納得して受け入れるよう丁寧に説明する責任が政府にはある。時短や休業を命令するのであれば、それに伴う補償を行うのも当然だ。
民間病院に対して、コロナ病床の設置を勧告する制度の創設も検討する。これも病院に対する経済的な助成がセットでなければ実効性をもたせることはできない。
また、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は「重要な疫学情報を自治体と国が共有できる仕組みが必要」とし、感染の分析に必要な情報が、自治体ごとの個人情報保護や保健所の対応が異なることで収集できない現状の改善を訴えた。検討に値する問題提起であろう。
通常国会の会期は6月16日まで。東京五輪・パラリンピック開催もあり、延長は難しい。
2020年度の第3次補正予算案、21年度予算案に加え、デジタル庁設置の関連法案、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げる医療制度改革関連法案、個人情報保護制度の見直し関連法案など、重要法案が並ぶ。国難の打開へ、真摯(しんし)で迅速な審議を望みたい。
(2021/1/18 05:00)
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