(2021/3/10 05:00)
禅の言葉に『習絶真』がある。技を身につけるには、しっかり基礎を学び、実践し、自分仕様にする。BCP(事業継続計画)の実践にも通じるところがありそうだ。
発災時は常に応用問題になる。過去問題を解いていても対応できない。「震災直後、社員はBCPを意識しなくても、自ら考え行動してくれた」と話すのは、産業廃棄物処理業、鈴木工業(仙台市若林区)社長の鈴木伸彌さん。
東日本大震災では、5メートルを超す津波で処理施設が機能を消失したが、積み重ねてきた訓練が生きた。社員がすぐに大型の発電機を手配してくれた。焼却炉を動かすには撹拌や送風に電力が必要で、復旧は当面難しいと読んだ。
各種調査ではBCPを策定済みの中小企業は2割に満たない。「できるところから始めてほしい。費用をかけられない中小企業では、社員のモチベーションなどソフト面の厚みが肝になる」。同社では震災後に社員の誰もが初動対応できるようにした。
社員は安否確認用に緊急連絡先や家族の電話番号を記した防災カードを携帯している。社員にプラスになることが、いつの間にかBCPになっている。習絶真なら『真』の域か。防潮堤より心の壁を高くしておきたい。
(2021/3/10 05:00)
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