産業春秋/いつもの音

(2021/3/11 05:00)

いつも聞こえていた音が消えた。新幹線の通過する音だ。JR仙台駅が近く、自宅の窓から新幹線の高架橋が見える。先月13日の福島県沖を震源とする地震の影響で、その音が10日程度止まった。

ちょうど10年前もいつもの音はしばらく消えたのを思い出した。きょうは3月11日。東日本大震災から10年を迎えた。当時、家の近くにある高架橋に1カ月ほど停止した新幹線の姿も覚えている。

先月の地震は、福島・宮城の一部で震度6強を観測した。東日本大震災の余震だという。津波がなかったことが何よりのことだった。強い揺れに10年前の記憶を呼び覚まされた人も多かった。

東日本大震災による津波で店舗を流出した宮城県南部のある経営者は「当時、外の音が変わったことを思い出した」という。緊急車両やサイレンの音が頭によみがえったそうだ。大規模な災害に見舞われると、日常は一変してしまう。

10年前、仙台市内は明かりが消えた。その中で明かりをともした数少ないビル「仙台トラストシティ」は11日、「3・11希望の光」と題したライトアップを実施する。天に向かって光を伸ばす試み。きょうは、いつもの音を感じる中、あらためて復興を祈念したい。

(2021/3/11 05:00)

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