(2021/3/23 05:00)
「コロナで復興五輪という意味合いが薄れてしまった」。被災地の中小企業から残念がる声を聞いた。
東京五輪・パラリンピックは海外からの観客を入れずに開催する。感染の収束が見通せない中でやむをえない判断だ。国内の観客も半分以内に抑える見込み。宿泊予約を抱えるホテルはキャンセル対応を迫られる。
選手の防疫管理を徹底するだけでも容易ではない。入国は出国元の陰性証明を条件とし、入国後は4日に1回の検査を義務づけるという。大会組織委員会はクラスター感染が起きた時の対策も含めて国民が安心感を持てる丁寧な情報発信が必要だ。
近代五輪の父、クーベルタンは1908年ロンドン大会で英米選手の対立をいさめる米司教の言葉に触発され「五輪で重要なのは勝つことではなく参加すること」と提唱した。感染対策が不十分なまま「開催することに意義がある」と言わんばかりの大会になってはオリンピズムを逸脱しかねない。
逆境だから出る知恵や工夫もあろう。簡素でも自然災害や感染症という人類共通の課題に国際協調を呼びかける。商業主義や国威発揚とは一線を画し、原点を踏まえた新時代の五輪像を打ち出すこともレガシーになる。
(2021/3/23 05:00)
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