(2021/9/7 05:00)
コロナ禍で閉塞(へいそく)感がまん延する状況だからこそ、未来を切り開く万博に向け多くの企業が参画してほしい。
2025年に開催される「大阪・関西万博」で掲げるコンセプト「未来社会の実験場」を実践する活動が動きだした。万博会場となる大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、公募で選ばれた企業の実証実験が始動する。
夢洲の実証実験は工事が本格化する前の広い空間を使い、来年末までに計9件が計画される。大阪ガスが代表の企業チームが先陣を切り、エネルギーを使わず表面温度を下げられる独自の放射冷却素材の実験を始めた。万博会場予定地に同素材を荷台に貼ったトラックを置き、直射日光下で荷台内部の冷却効果を調べる。省エネルギーに役立つ製品として同素材は万博パビリオンでの採用も狙う。
実験場所の調整などで支援するのは大阪商工会議所と大阪府・市で構成する組織「チーム大阪」だ。今後も飛行ロボット(ドローン)や自動運転といったモビリティー関連、万博工事に役立てる技術などの実験が計画される。思い切った活動ができる環境整備に努めてほしい。
企業・団体を対象にした大阪・関西万博の参加メニューも、2025年日本国際博覧会協会(万博協会)が8月中旬に公開した。パビリオン出展やテーマ事業協賛、未来社会実装の事業出展、会場の整備・運営や催事、営業施設の出展など多彩だ。
特に「未来社会ショーケース事業」への参加は空飛ぶクルマの実用化や、人工知能(AI)を駆使し「言葉の壁」のないコミュニケーション環境を提供する自動翻訳システム、実際の万博と同じ会場を3次元コンピューターグラフィックス(CG)で再現するバーチャル万博など、具体的テーマを示した。
万博協会は「万博成功のために多くの企業・団体の参加が不可欠」(石毛博行事務総長)とする。万博への企業参加は一定のコスト負担が必要で大手企業主体になりがちだが、ユニークなアイデアや技術をもつ中小企業やベンチャーが参加しやすい仕組みも構築してもらいたい。
(2021/9/7 05:00)
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