(2022/1/11 05:00)
関西一体でMaaS(乗り物のサービス化)の取り組みを通じ、交通の利便性向上や観光活性化を狙った官民連携の組織「関西MaaS推進連絡会議」が発足した。2025年の大阪・関西万博を控える関西にとり、国内外で想定2800万人とされる万博来場者の移動を最適化する広域MaaSの構築は重要だ。集客しつつ密を防ぐ仕組みとしても役立ててもらいたい。
MaaS連絡会議は、近畿経済産業局や近畿地方整備局といった国の機関、関西の鉄道各社など交通関係者、関西経済連合会や大阪商工会議所、関西広域連合や大阪府・市、2025年日本国際博覧会協会などが参画。同会議の音頭をとった近畿運輸局が事務局を務める。
初会合で25年度までのロードマップ(案)を示し、関西MaaS構築に向け、22年度からデータ基盤整備を行う。大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)やJR西日本、阪急電鉄など関西の主要鉄道7社は「関西MaaS検討会」を先行設置しており、各社の鉄道サービスをシームレス利用できる共通アプリケーション(応用ソフト)の開発を進めている。MaaS連絡会議では、この鉄道アプリをベースに22年度中に共通アプリの運用を開始し、万博アプリや観光アプリ、商業アプリを組み込んだ統合型アプリへの発展を目指す。
広域的なMaaS構築は関係者が情報(データ)を出し合い、連携できるかがカギを握る。参画事業者が増えるほど利害調整の手間はとられるが、近畿運輸局などは尽力してほしい。
大阪商工会議所も19年に「MaaS社会実装推進フォーラム」を設立、270社・団体の異業種メンバーが集う。関西の鉄道7社の連携実現は同フォーラムの活動がきっかけだ。大商は現在、フォーラムメンバーと大阪の二つの繁華街(梅田・京橋地区)で専用アプリを活用し、コロナ禍において集客回復と密回避の両立を狙った消費者の行動変容を促す実証実験も行う。
情報を共有し多くの知見を出し合えば、経済活性化の起爆剤になり得る“関西MaaSモデル”を実現してもらいたい。
(2022/1/11 05:00)
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