産業春秋/「原発稼働すべき」増加傾向

(2022/8/26 05:00)

「安全が確認できれば(原子力発電所は)稼働した方が良い」。原発に対する地元の意識が徐々に変化し、肯定意見が増えているという調査結果がある。静岡県掛川市が7月に発表した2022年度「市民等意識調査」で、浜岡原発の今後に関する質問だ。

安全確認を前提に「稼働した方が良い」との回答は32・9%を占め、前年の調査より3・8ポイント増えた。一方、「廃炉にした方が良い」は24・0%と前年より7・9ポイント減り、“稼働派”を初めて下回ったという。

「停止した方が良い」も前年比0・6ポイント減の12・1%と減少。「廃炉」「停止」を合わせると36・1%と稼働派を上回るものの、前年比で8・5ポイントも減少しているのは興味深い。

この10年間の調査結果を見ると、14年度は「廃炉にした方が良い」が43・5%に達し、その比率は年々低下している。電力の安定供給や地球温暖化への意識の高まりが背景にあると見られる。

岸田文雄首相は再稼働させる原発の拡大、原発の運転期間の延長、次世代原子炉の建設を検討すると表明し、年末までに具体案をまとめる。原発の新増設を想定しない従来方針を転換したものだ。地元意識の変化が施策を後押しするか注目したい。

(2022/8/26 05:00)

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