社説/きょうJIMTOF開幕 過去最大、一段の受注増に期待

(2022/11/8 05:00)

第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)が8日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する。2020年のオンライン開催を挟み、リアル開催は4年ぶり。22カ国・地域、1086社の最新鋭の工作機械、最先端技術が一堂に会し、ビッグサイト全館を使用する過去最大の展示会となる。高原状態の工作機械受注の拡大に弾みがつくと期待したい。

日本工作機械工業会(日工会)と東京ビッグサイトが主催するJIMTOFの会期は13日まで。1962年の初開催から60年の節目を迎える。「開かれる扉、世界を動かす技術の出会い」を開催テーマに、15万人以上の来場者を見込み、国内外の出展メーカーとの活発な商談が想定される。ユーザーはデジタル変革(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)に対応する工作機械・関連技術に触れることで、生産性向上はもとより、脱炭素と企業成長の両立を目指してほしい。

今回は積層造形(AM)の特別企画となる「AMエリア」を初めて設ける。金属3Dプリンターの進歩により注目されている革新的技術で、部品点数の削減やリードタイム短縮、多品種少量生産を可能にする。3月には日本AM協会も発足した。組み立てレス・無在庫を実現する最先端の技術を確認したい。

工作機械はウィズコロナとポストコロナも見据え、精密な加工にとどまらず、デジタル化や自動化、知能化が求められている。製造現場の人手不足に対応する上でも、ユーザーはこれらメーカーが提案するソリューションを駆使し、品質を維持しながら生産性向上と競争力強化を推し進めることが求められる。

日工会は22年の工作機械受注を前年比13・5%増の1兆7500億円と、過去2番目となる高水準に達すると見通す。1月の予測1兆6500億円から上方修正している。自動化・高効率化に向けた設備投資は国内外で高原状態にあり、半導体製造装置や自動車電動化の需要は根強い。今回のリアル展示会を通じ、競争力ある生産現場づくりの歩みをさらに進めたい。

(2022/11/8 05:00)

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