リケジョneo(205)NTN・森吉真理子さん

(2022/11/21 05:00)

他社との交流、将来像描く

総合1から続く)初めは金属に関心があり、香川大学工学部(現創造工学部)で材料工学を学びました。教授から昔と今では世の中の材料が大きく変わっていると聞き、とても興味が深まりました。難しかったのは有機化学。せっかくだから材料を幅広く知りたいと、チャレンジ精神で苦手の有機化学を研究しました。挑戦したのは曲げられる液晶ディスプレーの材料になる有機化合物です。仕事は研究開発に就きたいと願っていました。ただ現実は院卒でないと研究開発で働ける企業が少なかったです。探しているうちにNTNが学部卒でも研究開発で採用すると知り、喜んで入社しました。

NTNは機械メーカーですが、成長するライフサイエンス分野に参入しようとしています。そこで任されたのが、針の先端に付着させた数ピコリットル(ピコは1兆分の1)の液滴を、1回0・1秒と高速で高精度に塗布する装置の開発です。例えば粘度が水から水あめまで異なっても安定して塗布でき、生活を豊かにする製品を造れる装置になると期待しています。塗布針の径や動かす時間、対象物との接触時間など多様な条件を求めるのに、大学で材料をこつこつと調べた経験が生かせます。

当初は若手の面倒を先輩がみるメンター制度で支えてもらいました。自分がやらないと新事業は進まないのでプレッシャーを感じますが、上司や先輩が助言してくれます。フレックス制度もあるので、早めに帰宅して気分転換をするなど活用しています。週に1回若手同士の自由な議論があり、違う視点で考える機会が得られます。他社の女性技術者とも会社を通じ交流でき、将来像を思い描けます。第1研究室は6人で女性は3年目の後輩と2人。今度は後輩を公私とも支える側になりたいです。いずれ管理職になるよう求められても、喜んで受けたいです。(文=田井茂、写真=田山浩一)

◇NTN 商品開発研究所第1研究室 森吉真理子(もりよし・まりこ)さん

(2022/11/21 05:00)

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