(2022/12/19 00:00)
皆さんの作業場や倉庫などで使用または保管されている古い電気機器に、低濃度PCBが残っているかもしれません。
使用を終えて廃止した機器等(低濃度PCB廃棄物)は令和9年(2027年)3月31日までの処分期限が設けられており、早期の調査、判別、処分が必要です。
PCBってなに?
PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称です。
人工的に作られた、主に油状の化学物質です。PCBの特徴として、水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など、様々な用途で利用されていましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。
PCBを処分する必要性(PCBによる健康被害)
PCBは脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。
脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。
こんな電気機器が低濃度PCB廃棄物に該当する可能性があります
自家用電気工作物
電気事業法では、平成28年経済産業省告示第237号において、12種類の電気工作物(変圧器、電力用コンデンサー、計器用変成器、リアクトル、放電コイル、電圧調整器、整流器、開閉器、遮断器、中性点抵抗器、避雷器及びOFケーブル)を定めております。このいずれかに該当するものであって使用されている絶縁油に含まれるPCBが0.5ppmを超えるものはPCBに汚染された電気工作物に該当します。
低圧コンデンサー
絶縁油入りの電気機器には、電気事業法の電気工作物に該当しないX線発生装置、X線検査装置、電気溶接機、エレベーターやエスカレーター等の昇降機等を駆動するために高電圧発生装置として組み込まれた低圧コンデンサーがあります。これらについてもPCBに汚染されている可能性があります。
詳細は環境省・経済産業省作成の「低濃度PCBに汚染された電気機器等の早期確認のための調査方法及び適正処理に関する 手引き( 以下手引きという)」をご参考ください。
低濃度PCB廃棄物は期限までに処理しなければなりません
低濃度PCB廃棄物は、処理期限を過ぎると行政処分の対象になります。
PCBは「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の規制対象物質に指定され、適正な処分等が求められています。国内では平成13年(2001年)にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)が成立・施行され、低濃度PCB廃棄物については、令和9年(2027年)3月31日の期限までに事業者による処理が義務づけられています。この期限を過ぎても処理しないと行政処分の対象となります。
実施いただきたいこと
【判別】
銘板情報から判別、または採油した絶縁油のPCB濃度を調査します。
【処分】
低濃度PCB廃棄物となったものは無害化処理事業者への処理委託を行い、処分してください。
手引き はこちら
PCB特措法に関するお問い合わせ先は
環境省ウェブサイト
からご確認ください。
低濃度PCB廃棄物 早期処理情報サイト
(2022/12/19 00:00)
【調査】
技術者等に依頼し、キュービクル、分電盤などを調査します。詳しくは 手引き をご活用ください。