(2023/3/16 05:00)
下請け企業との取引適正化を“宣言”した企業が2万社に迫っている。下請け企業がエネルギーや原材料の高騰分を取引価格に上乗せする「価格転嫁」に協力するという宣言。下請けの中小企業には賃上げの貴重な原資となる。宣言の実効性が中小「春闘」の行方を左右しかねない。
発注側の経営者が下請け企業との取引適正化を宣言する「パートナーシップ構築宣言」の登録企業が1万9600社超に達した。2020年7月から登録が始まり、経済産業省・中小企業庁が推進している。
ただ“宣言”しながら価格転嫁に応じない企業もある。公正取引委員会が22年12月にまとめた調査結果では、「優越的地位の乱用」の恐れがある4030社に注意喚起文書を送付し、価格転嫁に応じない13の社名・団体名を公表した。
事態を重く見た経団連など経済3団体は1月、連名で“宣言”の実効性向上に向けた要請を会員企業に行っている。受発注間で適正に利益を分かち合う関係構築を求めたものだ。
政労使会議が15日、約8年ぶりに開かれた。大手企業で意欲的な賃上げの勢いが中小企業に波及することを期待しての開催だった。大手と中小の共存共栄が問われる23年春闘でもある。
(2023/3/16 05:00)
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