(2023/3/17 05:00)
自民・公明両党は15日に追加の物価高対策を岸田文雄首相に提言した。政府は月内に具体策をまとめる。他方、大手電力7社は経済産業省に申請している家庭向け電気料金の値上げ幅を圧縮し、申請し直すことになった。どこまでインフレの負担が軽減されるのか注目したい。
自公は低所得世帯への一律3万円の支給のほか、これとは別に低所得の子育て世帯に児童1人当たり5万円を支給する対策などを提言。4月の統一地方選を見据えてか、現金給付の施策が並ぶ。
自公はこのほか電気使用量の多い事業者支援やLPガス負担軽減策、酪農・養鶏のエサ高騰対策などを盛り込み、2022年度予算の予備費約5兆円の範囲内で対応するという。
他方、電力大手が値上げを申請した時期より直近の原油や石炭などのエネルギー価格は下落傾向にある。電力各社には値上げ幅の圧縮を求め、4月からの値上げを求めていた電力会社の実施時期は先送りとなる見通しだ。
23年春闘は大手企業による満額回答が相次いでいる。この勢いが中小企業にも波及することが求められる。政府による追加の物価高対策や、電気料金の値上げ幅の圧縮も、賃上げなしには大きな効果を期待できない。
(2023/3/17 05:00)
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