産業春秋／パワーカップルも寄与？ 住宅地の地価上昇

「パワーカップル」と呼ばれる夫婦がいる。明確な定義はないようだが、世帯年収が１０００万円以上だったり、夫婦がそれぞれ年収７００万円以上の場合などが想定されているようだ。

国土交通省がまとめた１月１日時点の公示価格によると、住宅地の全国平均は前年比で１・４％上昇した。２年連続の上昇で、低金利や住宅取得支援施策が地価を下支えしている。パワーカップルによる高額マンションの購入も増加傾向にあるという。

パワーカップルの強みは、高額のペアローンを組めること。さまざまな契約形態があり、夫婦が連名で住宅ローンを組んだり、夫が債務者・妻が連帯保証人になる、夫婦がそれぞれの名義で住宅ローンを借りるケースなどがある。

通勤やショッピングに便利な都心部の高額マンションなどが人気を集めているようだ。コロナ禍の影響から、テレワークに対応した住居を求めている夫婦もいる。

ペアローンを組むには、言うまでもなく夫婦がフルタイムで長期にわたり共働きすることが前提になる。出産後も女性が社会復帰しやすい職務給の確立や子育てしやすい環境の整備など、少子化対策と同様の課題をパワーカップルも抱えているようだ。