産業春秋/米シリコンバレー銀、経営破綻から1カ月

(2023/4/11 05:00)

米シリコンバレーバンク(SVB)が3月10日に経営破綻して1カ月。金融不安が連鎖し、中堅銀行の預金流出が懸念されたが、3月末の週には米国商業銀行の預金残高が増加に転じた。リスクはくすぶるものの一服感がみられる。

だが油断は禁物である。米銀行が自己資本比率を向上させるための“貸し渋り”が実体経済を停滞させ、不良債権の増加が銀行の経営を悪化させる可能性を否定できない。

日本でも、不良債権問題が深刻化したバブル崩壊後の1990年代、貸し渋りによる中小企業の倒産が相次いだ。銀行が自己資本比率を引き上げた副作用として、経済全体に十分な血液が行き届かない“貧血”状態になったことがある。

バイデン米政権は資産1000億ドル(約13兆円)以上の中堅銀行への規制を強化するよう、米連邦準備制度理事会(FRB)に対応を促している。トランプ前政権が一部緩和していた金融規制改革法の見直しを検討する。米国経済に及ぼす影響を注視したい。

米FRBは堅調な雇用情勢を受け、5月の会合で政策金利の引き上げに踏み切るとの見方も多い。金融不安を受け、これを最後に利上げを据え置くのか、日銀新総裁ならずとも気になる。

(2023/4/11 05:00)

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