(2023/5/5 05:00)
きょう5月5日はこどもの日。懸案の少子化に歯止めをかけるには、どのような対策を講じればいいのか。男女が共同で家事と育児を行い、世帯の所得も向上すれば、出産に前向きになるとの試算がある。
政府の経済財政諮問会議の資料によると、男女が共同で行う家事・育児が経済協力開発機構(OECD)平均まで引き上がると出生率は0・1程度上がる。女性の負担をいかに減らすかが重要になる。
若年世代の所得が毎年2%上昇した場合も出生率は0・1程度上がり、若年層への所得分配比率が高まれば0・1程度上乗せされる。児童手当や保育サービス、住宅支援の拡充などが国内総生産(GDP)比で1%程度(約5兆円)増えた場合も、出生率は0・05―0・1程度上昇する。
これらの対策により、2060年の人口が最大で730万人増えると試算する。出産・育児には経済基盤の強化が不可欠で、政府が6月にまとめる子ども・子育て予算倍増に向けた大枠が注目される。
だが予算倍増の財源を確保できていない。社会保険料の引き上げで賄えば子育て世代の負担増となり、政策効果が減殺しかねない。政府は大型連休(GW)明けに議論を加速してもらいたい。
(2023/5/5 05:00)