産業春秋／骨太方針、あす与党に提示

政府は７日、２０２４年度の予算編成方針などを盛り込んだ「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」の原案を与党に提示し、中旬にも閣議決定する。労働市場改革による構造的賃上げや「人への投資」により分厚い中間層の実現を目指す内容だ。

脱炭素やデジタル関連などの成長分野を重視する構造改革も進め、期待成長率を高めてデフレ脱却を目指すという。政府の「こども未来戦略方針」の素案も骨太方針に反映され、３０年までがラストチャンスとされる少子化対策の方向が明示される見通しだ。

２５年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化する目標は「２５年度」の期限は２２年の骨太方針に続いて明記されない見通しだ。財政健全化目標に縛られ、重要な施策の選択肢を狭めてはならないとの考え方による。

財政健全化は“賢い支出”を実現できるかどうかがポイントになりそう。経済成長に伴う税収増だけで健全化を実現するのは容易でなく、先々の税収を見通すのも難しい。

少子化対策の財源問題は先送りされ、年末の予算編成過程で議論する。安定財源を確保する２８年度まで、国債への依存が高まる懸念が残る。賢い支出を目指し議論を深めてもらいたい。