産業春秋/米FRB、年内2回利上げで景気後退も

(2023/6/16 05:00)

米国の政策金利が想定より引き上げられる見通しだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が13、14の両日(現地時間)に開いた会合で、年末の政策金利の中央値を5・6%と予測し、前回予測の5・1%を0・5%引き上げた。年内に0・25%の利上げが2回実施される計算になる。

米FRBは今回の会合で利上げを一時停止したものの、金融市場はこの決断よりも、年内の2回利上げが示唆されたことに反応している。先々の日米金利差拡大を見据え、為替市場は米FRBの会合後にやや円安に傾いた。

米FRBが利上げを見送ったのは2022年1月以来。利上げを決めれば米金融機関の融資がさらに厳格化し、米経済を減速させる。米国の消費者物価指数もピークの上昇率9・1%が、23年5月は前年同月比4%上昇まで鈍化したことが背景にある。

ただ5月の非農業部門雇用者数が前月比で33・9万人も増え、市場予測の19万人増を大幅に上回った。人手不足を背景に、賃金上昇とインフレが長期化しかねないことを市場は意識している。

米FRBはインフレを抑制しつつ、いかに金融不安と景気後退のリスクを拭うのか。米国経済が景気後退局面に入る可能性に留意したい。

(2023/6/16 05:00)

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