産業春秋／カーボンニュートラルへ一歩前進

２０５０年カーボンニュートラル（ＣＮ）へ一歩前進。Ｇｒｅｅｎ×Ｄｉｇｉｔａｌコンソーシアムが、仮想サプライチェーン（供給網）上における二酸化炭素（ＣＯ２）データ連携に成功した。

多くの企業が目標年を定めてＣＮの達成を宣言している。ただ日本の製造業における生産の省エネはすでに世界トップクラスで、その部分でのＣＯ２削減の余地は少ない。そのためサプライチェーン全体での取り組みが必要だ。

コンソーシアムでは複数の企業群がそれぞれの段階で秘密情報を保護しながらＣＯ２データを受け渡しするフレームワークを設け、実証実験を行った。どの段階・企業でＣＯ２排出量が多くなっているかが把握でき、削減の道筋が見えるようになった。

活動が始まったのは２１年１１月。参加企業は当初の４７社から１３３社に増えた。取引先のＣＯ２データを把握しようにも、データの精度を個々に検証するのは難しい。参加企業の増加はフレームワークへの期待が高まっていることの表れだ。

今後はフレームワークの社会実装のフェーズに入る。技術仕様の実装ソリューションを提示し、その後も運用に必要な更新・追加を行っていく。ＣＮ達成へ一歩ずつ前に進む。