(2023/9/26 05:00)
日本人の感性、表現力の豊かさを感じさせる言葉に「雨」がある。突然降り出す雨は「驟雨(しゅうう)」、それが秋ならば「白驟雨」となる。肘を頭の上にかざして笠の代わりにする「肘笠雨」は、しのぎにくい雨の意も。「ゲリラ雷雨」といった荒っぽい言い回しとは異なる風情ある響きからは、雨とともに生きてきた、いにしえの人々の姿が浮かぶ。
気候変動の影響で激甚化する自然災害。昨今の降雨特性を踏まえた治水インフラ整備は喫緊の課題だ。大都市固有の課題もある。川沿いにビルや住宅が立ち並ぶ人口密集地では、川幅を広げるなどの大規模な河川整備が困難、かつアスファルトやコンクリートで舗装された地盤は浸水されにくく、被害を拡大させる恐れがある。
東京都は災害に強い都市の構築を目指し「TOKYO強靱(きょうじん)化プロジェクト」を進めている。水害対策では増水の一部を貯留する調節池について、既存の整備事業を前倒す形で貯留量の引き上げを急ぐほか、地下河川を含めた新たな施設整備も視野にある。
急激な水位上昇の脅威に直面する現代だが、雨と川をこんな風情で捉えた一句もある。その時代に戻りたい。「秋雨や 水底の草を 踏みわたる」(与謝蕪村)。
(2023/9/26 05:00)
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