(2023/10/5 12:00)
計測・制御大手のアズビルは、顧客のプラントの稼働状況を人工知能(AI)で監視するシステム「BiGEYES(ビッグアイ)」を展開する。オンラインでプラントの異常の予兆を検知できるのが特徴だ。目視では分からない予兆を検知したり、目視より早く検知したりできる。プラントの突然の停止を予防できるのが大きな利点だ。保守のオンライン化を武器に拡販を目指している。
AIにプラントの稼働時のデータを学習させ、正常な状態を覚えさせた上で監視する。プラントのセンサーや制御システムからデータを取得し、正常ではないデータを検出すれば、アラートを出す仕組みだ。
これまでに70超の事業所で採用され、7000以上のAIモデルが稼働中だ。化学プラントや発電所、医薬品工場などが多い。化学メーカーの自家発電設備の導入事例では、蒸気漏れを早期に検知し、プラントの停止を未然に防げた。
木村大作理事アドバンスオートメーションカンパニーエンジニアリング本部ITサービス推進部長は「1件の検知で大きな効果があった」と顧客に喜ばれたことを強調する。
現状はベテラン運転員が勘と経験で異常に気付いているが、彼らの退職後の保守体制が懸念されている。オンライン化の利点を訴求し、ビッグアイで代替できると提案する。
木村理事は副次的な効果も挙げる。顧客の中には、ビッグアイの導入担当になった若手がプラント内の機器を詳しく学ぶことで、運転技能を高める事例が出ているという。オンライン化による保守体制の確保だけでなく、若手に刺激を与えるアナログの効果ももたらしている。
新展開として、6月に関西電力と共同開発したオプション「BiGEYESplus」を発売した。電力会社の火力発電所向けで、AIモデルを半自動で作成でき、導入しやすい。発電効率の低下を検知し、電力の安定供給につなげる。
(2023/10/5 12:00)
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