EV市場参画へ“異例の提携” アネスト岩田、新領域に挑み企業風土変革

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  アネスト岩田取締役常務執行役員・三好栄祐氏

アネスト岩田は３月に、商用多目的電気自動車（ＥＶ）を企画・輸入販売するＨＷ　ＥＬＥＣＴＲＯ（ＨＷエレクトロ、東京都江東区、蕭偉城社長）と資本・業務提携した。資本提携の詳細は非公表だが、アネストの福島工場（福島県矢吹町）で納車前整備（ＰＤＩ）と荷台のオプション装備作業などが始まっている。三好栄祐取締役常務執行役員経営管理本部長に提携の経緯と狙いを聞いた。

―異例の提携に注目が集まりました。

「５月で創業９７年を迎えたアネスト岩田は、製品のコンプレッサーやスプレーガンで自動車産業と幅広く取引している。そんな背景からネーミングライツ（命名権）を取得した有料道路『アネスト岩田ターンパイク箱根』があり、２０２３シーズンには自動車レース『スーパーＧＴ３００クラス』に参戦した。ＨＷエレクトロとの提携は、スーパーＧＴ関係者の紹介がきっかけだ」

―狙いは。

「創業翌年の１９２７年に国産初のスプレーガンを製品化し、塗装機器のトップランナーであり続けているのは誇れることだが、一方で変えられない文化も染みついている。モータースポーツ参戦は次代を見据えて新事業領域を切り開く『挑戦』を象徴するもの。創業１００周年を控え、時代の変化とともに目覚ましい普及を見せるＥＶ市場に参画し、企業風土を変えていきたい。挑戦し続けなければ、企業としての成長はない」

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  ＨＷエレクトロの商用多目的ＥＶ

―ＨＷエレクトロの商用ＥＶについて。

「ラストワンマイル（目的地までの最終経路）を脱炭素化する小型・中型車。提携で普及を推し進めていく」