(2023/11/2 15:05)
ミネベアミツミは2日、日立製作所の完全子会社で、電力の変換や制御を担うパワー半導体を製造する日立パワーデバイスを買収すると発表した。買収額は非公表だが総額400億円程度とみられる。ミネベアミツミは電気自動車(EV)向けに需要が増加する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の強化を図る。2023年3月期に約800億円だった半導体事業の売上高を27年3月期に2000億円規模まで伸ばしたい考え。
日立製作所が所有する日立パワーデバイスの全株式45万株を25年3月期にもミネベアミツミが買い取る。
日立パワーデバイスは13年、日立製作所がパワー半導体事業を子会社の日立原町電子工業と統合して設立された。23年3月期の連結当期利益は約30億円で、従業員数は約1000人。国内に臨海工場(茨城県日立市)、原町工場(福島県南相馬市)、山梨工場(山梨県中央市)を持ち、米国や中国など海外にも販売拠点を構える。パワー半導体の一種で送配電の関連機器、鉄道車両、EVなど幅広い分野に使うIGBTやインバーターエアコン用の高圧IC、パワーダイオードなどに強みがある。
パワー半導体は電源から送られた電気をモーターや電子部品に適した形に変換するために必要な半導体。二酸化炭素(CO2)排出削減の動きが広がるにつれ、IGBTの需要は高まっている。
日立パワーデバイスは生産の一部を外部委託しており、前工程の委託先の1つがミネベアミツミの千歳事業所(北海道千歳市)だった。今回の買収でミネベアミツミはIGBTの完成品まで生産できるようになり、拡大するIGBT需要に対応しやすい体制が整う。三菱電機、富士電機、東芝、ルネサスエレクトロニクスにローム、デンソー、日立パワーデバイスを加えた7社がひしめく国内パワー半導体メーカーの勢力図が買収を機に塗り変わる可能性もある。
(2023/11/2 15:05)
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