(2023/11/6 12:00)
ニイガタマシンテクノ(新潟市東区、田村幸夫社長)は、建設機械部品などの材料である大型鋳物を横型マシニングセンター(MC)で切削する工程の省人化に乗り出す。独自開発した加工対象物(ワーク)の外観を非接触で測定・解析する「e―na(イーナ)」の普及に力を入れる。大きく重いワークは単価も比較的高く慎重な扱いが必要だが、加工前に異常を見つけられる。
イーナはワークの取り代の量が正常範囲以内か、取り付け間違いがないか、異物の有無などを加工前に測定・解析する。同社製MCと連携して自動補正し、特に無人運転時の不良を削減する。
開発のきっかけはポンプ部品を切削する顧客からの相談だった。田村社長は「例えばワークの取り付けが人によって違うと、多少でも効率が悪い。当社加工機の納入先が『何とかならないか』と、8年ほど前に持ちかけてきた」という。
そこで制御が得意な技術者が顧客と試作を開始した。通常、ワークは搬送装置で加工機まで運ぶ。この既存の運用を変えないよう、非接触で外観を把握する方式を考案した。
商品化にあたっては新潟県工業技術総合研究所(同中央区)も協力した。システム本体のヘッド部分の両端にカメラとレーザープロジェクターを組み込み、幅が異なる光のしま模様をワークに複数回投影。同時にカメラで表面の凹凸を把握する仕組みにした。これまでは窓からの自然光がワークに反射するなどして外観の把握が難しかった。
縦600ミリ×横800ミリ×奥行き100ミリ―400ミリメートルの範囲に収まるワークであれば、判定誤差は1ミリメートル。30―60秒間の測定後、基準値との差異をタブレット端末などの画面に立体的に分かりやすく表示する。
導入には加工機と連携するための調整作業が必要。消費税抜きの導入価格は500万円程度の個別見積もりで4月に発売した。
(2023/11/6 12:00)
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