(2023/11/9 17:00)
財務省が9日発表した2023年度上期(4―9月期)の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノ、サービス、資金の取引を示す経常収支は前年同期比3・0倍の12兆7064億円の黒字となり、統計の比較が可能な1985年度以降で、半期として過去最大を更新した。海外金利の上昇や円安の影響などで企業が受け取る利子や配当収入が増えたほか、資源価格の下落で貿易収支の赤字幅が大幅に縮小したことなどが主因。
貿易収支は1兆4052億円の赤字となり、赤字幅を7兆7761億円縮小した。輸出は増加し、49兆6214億円だった。自動車や建設用・鉱山用機械、原動機などの輸出が増加した。輸入は同13・2%減の51兆266億円となった。原粗油や石炭、液化天然ガス(LNG)、石炭などの輸入が減少した。
旅行や輸送などモノ以外の取引の収支を示すサービス収支は2兆3347億円の赤字で、赤字幅を9537億円縮小した。インバウンド(訪日外国人)観光客が大幅に増え、旅行収支は同15・0倍の1兆6497億円の黒字となった。
日本企業が海外で得た利子・配当収入などを示す第1次所得収支は同3・9%増の18兆3768億円の黒字と、半期として過去最大となった。証券投資収益の黒字幅が拡大した。
同日発表した9月の経常収支は前年同月比3・6倍の2兆7236億円の黒字だった。貿易収支は3412億円の黒字(前年同月は1兆8092億円の赤字)と、2カ月ぶりの黒字となった。輸出は同2・6%増の9兆601億円だった。半導体部品などの供給制約が緩和され、自動車や自動車の部分品などの輸出が伸びた。輸入は同18・1%減の8兆7189億円。原粗油やLNG、石炭などの輸入が減った。
サービス収支は2878億円の赤字と、赤字幅を447億円縮小した。
第1次所得収支は同1・1%減の3兆764億円だった。
(2023/11/9 17:00)
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