社説/あす技能五輪全国大会開幕 国際大会の「愛知招致」に弾みを

(2023/11/16 05:00)

第61回技能五輪全国大会(主催=厚生労働省、中央職業能力開発協会)が17日から、愛知県国際展示場(愛知県常滑市)など13会場で開かれる。会期は21日まで。地方予選などを勝ち抜いた原則23歳以下の青年技能者1010人が参加予定で、41職種で「技」の日本一の座を競う。厚労省は2028年の技能五輪国際大会を愛知県に招致することを目指しており、今大会を招致活動のキックオフとしたい。

技能五輪全国大会は毎年開かれ、国内の青年技能者の技を競うことで技能水準の向上を目指している。併せて、技能に身近に触れる機会を提供することで、モノづくりを支える技能の重要性をアピールし、関連人材の確保につなげる狙いもある。

ITや人工知能(AI)が進化しても、技能の重要度が変わることはない。だが少子化の進行で技能者の減少が懸念される。次代を担う青年技能者の熱戦を会場で、あるいは専用ウエブサイトのライブ配信で多くの若者が見つめてほしい。

今全国大会は、24年9月にフランス・リヨンで開かれる第47回技能五輪国際大会に派遣する日本代表選手の選考も兼ねる。「メカトロニクス」や「情報ネットワーク施工」などの31職種が対象で、2年に1回開かれる国際大会でも日本の高水準の技能を世界に示してもらいたい。

28年の国際大会を愛知県に招致できれば、日本での開催は4回目になる。直近は07年に静岡県で開かれた。愛知県の大村秀章知事は「本県そして日本の将来を担う若者の技術向上に資するものであり、我が国における技能尊重機運の醸成につながる絶好の機会と考えている」と招致に大きな期待を寄せる。約60カ国・地域が集う28年国際大会の開催地は、24年9月にフランスで開かれる総会で正式決定される。実現すると期待したい。

第43回全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)も17―19日の日程で愛知県国際展示場で開かれる。障がい者への理解と認識を深めたい。大会を通じて職業能力の向上を促しつつ、貴重な戦力として雇用が促進されることが期待される。

(2023/11/16 05:00)

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