(2023/11/29 12:00)
フジテックは7月に日本、中国、韓国、台湾、インドの5カ国・地域から若手・中堅の生産エンジニアを集めた勉強会「グローバル生産会議」を開いた。海外での昇降機の生産に力を入れる中、設備の課題共有や技術交流でエンジニアの技能を底上げすると同時に、対面イベントを過ごすことにより、ネットワークを広げてもらうことを狙っている。今後も毎年続けていく方針だ。
グローバル生産会議には海外から29人、日本からは延べ人数で30人参加した。マザー工場であるビッグウィング製作所(滋賀県彦根市)や東京都内の物流拠点などを訪問し、グループディスカッションや生産現場の見学などを実施した。
同製作所の高杉信秀所長は「多様な人材の活躍の推進を掲げる中、グローバルレベルでの技術の伝承と、風通しの良い組織風土づくりに向けた人材の育成の二つが開催の目的」と説明する。
勉強会では日本側から教えるだけでなく、海外でのモノづくりの知見を学ぶことも多かった。高杉所長は「工場の自動化は永遠のテーマ。各拠点でも同じような課題を抱える。お互い試行錯誤しており、ノウハウを共有できる」と述べる。
また、工場設備の導入にあたり、その困りごとの共有のほか、それに対してのアドバイスを議論するワークショップを行うなど、互いの知見を深めた。
さらに高杉所長は「エレベーターは同じものを大量に量産するわけではない。お客さま仕様のモノをいかに効率的に作るかが課題となる」とした上で「試行錯誤し、自分たちの生産に合うようにカスタマイズ(個別対応)しないといけない。そこの苦労を共有できるのが、まさにグローバルで同じエレベーターを作っている生産エンジニアたちだ」と力を込める。
日本側の参加者には「2024年に海外赴任する社員がおり、いろいろな国のエンジニアと交流することで、より意識が高まった」(高杉所長)という。また、海外の参加者からは「対面で知り合えたので、今後はオンラインでも話がしやすくなる」などの声が聞かれた。経営目標に掲げる「オールフジテック」の実現に向け、グローバルでの一体感を醸成していく。
(2023/11/29 12:00)
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