アルファ電子、「共感力」で情報共有しやすく 女性リーダー 全社の42％に

アルファ電子（福島県天栄村、樽川千香子社長）は、電子部品や電子機器、医療機器の受託設計開発・試作・組み立て・量産などが主力。２０２１年には食品事業に参入し、米粉麺「う米（まい）めん」が健康ブームに乗って注目されている。実は女性社員も多く、本社工場と食品事業部のある須賀川事業所（福島県須賀川市）での女性比率は約７割にも上る。

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  本社工場で同僚への感謝を伝える「グッドジョブカード」を見る樽川社長（右奥）と現場のリーダー、サブリーダー

「目覚めよ我ら戦士たち　プラスαものづくりイズム」。アルファ電子の役員室には１９年に制作した会社ＰＲのポスターが貼られている。ユニホームを着た２２人の社員が思い思いのポーズを決め、インパクトも高め。ただ男性は７人ほどで、中央の樽川社長を含め女性が大半を占める。

３代目となる樽川社長は実父の樽川久夫会長からバトンを受け、２３年１月に社長に就任した。職場に女性が多いのは６９年の創業当時から。地元の女性をバスで送迎しながらパートで働いてもらった長い実績があり、最近の中途採用も５人のうち４人が女性。「今でも人材採用にはそれほど苦労していない」（樽川社長）という。

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  役員室に飾られた会社ＰＲのポスター

女性比率の高い本社工場（社員１２０人）と須賀川事業所（同７人）に対し、発注元で構内請負作業を行う仙台事業所（仙台市青葉区）は社員３０人のほぼ全員が男性だ。それでも全社の女性リーダーの数は徐々に増え、役員・課長・リーダー・サブリーダーでの割合は４２％にもなる。

蓄電池のリーダーの唐橋裕子さんは「みんなに声をかけたり、仕事の困りごとを聞いたり雰囲気を良くしようと意識している」という。電池パックのリーダーの小林礼子さんは「チームのみんなが盛り上げてくれる」と周囲への感謝を口にする。

製造技術サブリーダーの小林翠さんは１人目の子どもを妊娠中。不安もあるが、出産時期が近づき軽作業に移る人や産休明けで「お帰りー」とみんなに言われて現場に復帰した人を見るたび「サポートされているのを実感する」。

一方で「前の会社では男性が多かったが、女性が多いと話しやすい」と実感しているのは品質管理サブリーダーの村越ともみさんだ。「工程で何かあった場合でも情報共有がしやすい」と指摘する。

「プラスアルファのものづくりサービス」を掲げる同社で、プラスアルファの共感力が根付いているのかもしれない。