産業春秋/東京駅開業の日、新たな成長の「起点」に

(2023/12/20 05:00)

皇居に向かい翼を広げた優美なその姿は、澄み切った冬の空にひときわ映える。赤れんがづくりの東京駅丸の内駅舎。大正3年(1914年)12月20日に開業した。

当初は小規模な建設計画だったが、鉄道院初代総裁の後藤新平の意向を受け、建築家・辰野金吾は変更を重ね、実に7年がかりで建設されたと伝えられる。「アジアの新興国家にふさわしい駅舎」を目指す気概がうかがえる。

それから1世紀余り。東京駅は今や1日約4000本が発着、約35万人以上が乗降する巨大ターミナルに発展した。コロナ禍からの回復に伴い外国人観光客も戻ってきた。大きなスーツケースを手に行き交う姿が目に留まる。

2024年3月には北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸。東京―敦賀が3時間余りで結ばれる。地元・福井県は首都圏とのアクセス向上による経済効果への期待が高まる。

20年ぶりに刷新され、24年夏に発行される新紙幣。新1万円札の表面は、後藤とともに近代日本の礎を築いた渋沢栄一の肖像画、裏面に東京駅丸の内駅舎の外観が描かれる。駅は単なる通過点ではない。ここを「起点」に、日本がこの先、どのような成長を遂げるのか問われているように感じる。

(2023/12/20 05:00)

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