産業春秋/デフレ時代の新成人に想う

(2024/1/8 05:00)

成人年齢の引き下げに伴い、きょう8日の成人の日は「二十歳の集い」などの名称で行う自治体が主流のようだ。今回の参加者は2002年から03年生まれが対象となる。

バブル景気の余熱を感じながら社会に出た筆者世代から見ると、今の若者は浮ついたところがなく、身の丈に合った消費を楽しむことにたけているように感じる。

それもそのはず。24年の「新成人」が誕生したのは、デフレ不況まっただ中。平均株価は02年10月に1983年以来19年ぶりに9000円を割り込み、翌年4月にはさらに下落。その後、輸出拡大を背に「景気底離れ」の動きをたどるも、日本経済は物価も賃金も上がらない。長い停滞のトンネルから抜け出せない中で、大人になった。

そんな世代の肩にのしかかるのは、高齢化に伴う社会保障費の増大だ。すでに現役世代の社会保険料率(被保険者負担)は報酬の15%を超える水準にあるが、彼ら・彼女らが働き盛りを迎える40年には65歳以上が全人口の35%を占め、さらなる負担増が待ち受ける。

世代間負担の偏りを積極的に是正する国の改革機運は乏しい。24年は5年に一度の公的年金の財政検証の年でもある。もはや先送りの猶予はないはずだ。

(2024/1/8 05:00)

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