(2024/1/29 12:00)
山善は2025年3月期を最終年度とする3カ年中期経営計画で、売上高目標6000億円(22年3月期比19・6%増)を掲げる。目標達成に向け、社内外のリソースを掛け合わせ、新たな価値を創出する試みを続けている。
現在同社が注力している分野の一つが自動化だ。21年に発足した山善トータル・ファクトリー・ソリューション支社(TFS支社)は自動化コンサルティングを手がける専門組織。各分野に特化した専門性の高い営業部隊を擁し、エンジニアリング機能も備える。
23年11―12月に開催された世界最大級のロボット見本市「2023国際ロボット展」にも出展。協働ロボットを搭載した専用台車を無人搬送車(AGV)が移送することで、最小限のAGV台数でシステムを構築できる「ロボこたつ」システムを展示した。AGV、ロボットともに柔軟に機種を選べる特徴から、多様な選択肢を提供できるという商社としての強みも含めて提案する。
今回の展示品は同社グループ会社である東邦工業(広島市安佐北区)、石原技研(栃木県鹿沼市)との共同開発。AGVの停止精度によらず作業をこなすために、カメラ機能を標準搭載している台湾テックマンロボットの協働ロボットを用いてシステムを構築した。
山善TFS支社技術サポート部の植島代志和部長は展示品に関して「現時点ではAGV―ロボット間の通信手段の最適化など課題もある。展示に興味を持っていただけたメーカーとのタイアップによる共同開発も視野に入れている」と話す。
22年には山善大阪本社(大阪市西区)内にショールーム兼開発拠点「ロボットテストラボ」を開設するなど、エンジニアリング強化に力を入れる。植島部長は「今回のようにエンジニアリング機能を前面に押し出した展示は当社としても新しい試み。将来は当社がラインの提案から手がけ、技術商社の枠を超えたソリューション提案を目指す」と未来を展望する。
(2024/1/29 12:00)
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