(2024/2/13 12:00)
ホンダには創業者の本田宗一郎氏による「安全なくして生産なし」との言葉がある。本田氏が重視したのは「従業員一人ひとりが心身ともに健康で、安全に力一杯働くことができる」ことであり、それがホンダの健康経営の基本理念となっている。健康経営の活動に取り組む岡山力健康推進室室長は「安心して働ける環境は企業価値と働く喜びを最大化することができ、イノベーションも生まれやすい」とその効果を強調する。
ホンダは2020年に「健康宣言」を発表。従業員の健康管理を会社が支援する姿勢を打ち出し、健康経営の取り組みを本格化した。22年には、社会課題に対応して新しい成長軌道を目指す際には、健康で個性あふれる多様な人材が原動力になるとの考えから、三部敏宏社長が「強い個人のベースは健康でいることにあり 一人ひとりが健康保持増進にチャレンジャーであれ」とメッセージを発信。従業員が自らの健康を管理し、生き生きと活躍できる環境を作っていく方針を示した。
この会社方針と合わせて、各事業所の診療所を本社人事部の健康推進室の下に統合。23年4月には診療所の機能を病気になった後の「診療・治療」から、病気にならないための「予防」に変更した。
診療所に所属する看護師や栄養士、会社の公式運動部などが協力し、朝食の大切さを伝える動画や肩こりを防ぐ運動方法を社内に配信するなど、従業員が自ら考え、具体的な取り組みを増やしつつある。
取り組みの効果は、各従業員に休養、栄養、運動、禁煙、飲酒の5指標を設けて定期的に測定する。「データの分析を重ねて具体的な施策にしていきたい」(岡山室長)との考えだ。精神的な疾患で苦しむ人をなくすという大きな課題にも向き合う必要がある。
従業員が“ワイワイガヤガヤ”と意見を出し合い、自分たちで健康を作っていく“ホンダらしい健康経営”が目指す姿だ。
(2024/2/13 12:00)
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