インタビュー／大王製紙ペットケア事業本部本部長・坪田明晃氏 安全・安心なペット用品提供

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大王製紙はペット用品のブランド「エリエールｐｅｔ　キミおもい」を２０２３年９月に立ち上げ、３１アイテムを一斉投入した。ペットとそのオーナーの双方に快適で安全・安心な商品を提供すべく、北里大学獣医学部の岡野昇三学部長らとの連携を進めている。同社ペットケア事業本部の坪田明晃本部長に取り組みを聞いた。

―かつて小規模にペット用品を販売し、今回が３回目のチャレンジとなります。

「人向けの通気性シートなどの実績をベースに、高い機能性で差別化する。当社はリサイクル紙素材を有効活用するため、２２年に猫砂メーカー、大貴（東京都千代田区）を買収した。大貴の技術と当社のシート・吸収体技術を融合して、ペット用品に本格参入した」

―なぜ北里大獣医学部と連携しましたか。

「ペットオーナーの要望や不満はマーケティング手法で探れるが、言葉を話さない動物の行動や習性、感覚を読み解くには専門家との連携が不可欠。北里大はコンピューター断層撮影装置（ＣＴ）、磁気共鳴断層撮影装置（ＭＲＩ）、高精度放射線治療装置などを備え、東北地区の基幹動物病院として臨床でも随一。多様な犬種の体形データを計測し、体重などと尻尾の太さや位置との相関分析をおむつ開発に生かした」

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  （右から）パンツタイプの犬用おむつ、強力消臭のペットシーツ、尿のチェックができる紙の猫砂

―共同研究・開発の成果は出ていますか。

「犬用おむつは、ズレにくさと動きやすさを追求した日本唯一のパンツタイプを投入。４段階の大きさ調整可能な尻尾穴、サイズ調整が自在な、おなかまわりアジャスターに成果が結集された。猫砂は肉球の間のどこに挟まりやすいかを知るため猫の肉球のスキャンデータを集めた。砂の組み合わせを試し粒サイズを工夫した」