(2024/2/29 12:00)
現場主導の生産管理システムのクラウド化と説明動画で普及を促進―。シスディブリンク(愛媛県西条市)の高橋基社長は、大手システム開発会社を経て生まれ育った地元の西条市にUターンし、ソフトウエア・ハードウエアの開発会社を2015年に設立した。
同地域は愛媛県のモノづくりの集積地で中小製造業が多い一方でIT化の推進は喫緊の課題。高橋社長がまず着手したのは、友人の藤原弘一氏が社長を務める難削材の加工会社「フラスコ」(同)の生産性システム導入の支援。多品種少量品のフラスコは生産管理のIT化が難しかった。最初は導入を嫌がった現場作業者のニーズを探りつつ、タッチパネルによる簡単操作で生産計画を“見える化”する「寄合型生産管理システム」を開発した。エクセルなど既存ソフトからの移行が容易な現場主導型の同システムを活用。フラスコの営業担当者が顧客先にタブレット端末を持参し、見ながら自社の受注の指示書が反映され生産計画、実績情報が正確に把握できた。これまで断っていた特急品の受注拡大につながったと喜ばれた。同システムを建設業や鋳造業、食品業に横展開している。
ただ同システムの難点は顧客に応じた個別のカスタマイズが基本でコストが高くなりがちなことだ。また密着対応が可能な愛媛県や四国周辺の顧客が中心だった。そこでコスト面で導入が難しい顧客のために柔軟に対応できる現場主導型生産管理システムとして改良、クラウド化もして5月をめどに投入予定だ。これまでプログラムを設定してきた部分を顧客ができるようにしている。
「一般のマニュアルは静止画で提供することが多く、分かりづらい」(高橋社長)ことから、同製品の設定方法などは「ユーチューブ」などの動画配信を活用する考えだ。専用サイトも開設する予定。四国中心だった同システムの提案先が、クラウド化により営業範囲が広がり、打ち合わせには訪問とオンライン会議システムを併用する考えだ。
(2024/2/29 12:00)
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