産業春秋/韓国総選挙、対日関係に変化はあるのか?

(2024/4/12 05:00)

10日投開票の韓国総選挙は、与党「国民の力」が惨敗し、政権と議会の“ねじれ”状態を解消できなかった。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の「中間評価」と位置付けられた総選挙だったが、大統領の求心力低下が懸念される。

尹大統領は2022年5月に就任し、保守政権になったことで対日戦略が大きく転換された。23年3月に元徴用工問題をめぐり、韓国大法院(最高裁)が日本企業に命じた賠償を韓国側が肩代わりする解決策を発表。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も正常化された。

尹大統領は3月1日に行われた「三・一独立運動」の記念式典で演説し、日本は「世界の平和と繁栄のために協力するパートナー」と表明していた。今回の総選挙の結果が、改善した日韓関係に影響を及ぼさないか心配だ。

韓国人の日本好感度が高まっている。新聞通信調査会の調査(23年11―12月)で「好感が持てる」と回答した韓国人の割合は44%と過去最高の数字だった。

日本への好感度が向上した契機は、尹大統領の就任とされる。15年の慰安婦問題合意を事実上白紙に戻した前政権に対し、尹大統領は日本との関係改善に力を注いできた。日韓関係が後戻りしないことを願うばかりだ。

(2024/4/12 05:00)

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