個の強みを部の成長に、丁寧に部下の声拾う 第一生命保険公法人部長・宇張前(うちょうまえ)ゆみ子氏に聞く

(2024/5/14 12:00)

担当する「公法人部」は、主に官公庁向けに保険を案内する部署です。民間相手の法人部では20―30人の部署が多い中、我が部は約90人が所属する大所帯。大きな組織だと、私1人の力では何もできないと痛感します。いかにメンバーの強みを引き出し、その強みを部の成長につなげていけるかが私に託された使命だと思っています。

40代半ばに、最初の部長職に就きました。それは、2014年に確定拠出年金(DC)室という非保険分野の部署に異動になったことが転機になりました。今でこそiDeCo(個人型DC)や企業型DCは知られるようになりましたが、私が異動した頃は、ほとんど注目されていませんでした。

15年に初めて管理職(マネジャー)に就き、部下のためにも、事業の成長のためにもDCの知名度を高めたい。そんな思いで、無我夢中で普及に努めました。近年の資産形成ブームの追い風もあり、事業は徐々に拡大し、22年には所属部署が「室」から「部」に発展。そのタイミングで部長に就きました。

部長になれたのは偶然のたまものですが、「何事もチャンスはつかむ」という姿勢ではいました。というのも、わが社では女性管理職向けにさまざまな研修が用意されており、私も参加し意識付けができていたからです。社外の女性幹部の講演を聞く機会が度々あり、「みな悩みながら管理職に就いているんだ」と知り、私も等身大でやっていこうと思えるようになりました。

最近力を入れていることは、男性育児休業の推進です。これまでに男性部下3人を1カ月間、育休に送り出しました。1人分の仕事を別の人が丸々引き継ぐことで、「彼は暇そうに見えたけど本当は大変なんだ」などとわかり、社内の相互理解が進む気がします。カギはコミュニケーション。早めに休む時期を把握することで、引き継ぎが楽になります。部下の強みを引き出すためにも対話は欠かせず、できるだけ丁寧に部下の声を拾っていきたいです。 

(2024/5/14 12:00)

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