NEC、再生エネ100%のデータセンター 神奈川・神戸で開設

ＮＥＣは１４日、１００％再生可能エネルギーを活用したグリーンデータセンター（ＤＣ）として、神奈川県内と神戸市内に新棟を開設し、月内にサービスを始めると発表した。「ＮＥＣ神奈川データセンター二期棟」と「ＮＥＣ神戸データセンター三期棟」を開く。投資額は各２００億円。同社によるＤＣの新棟開設は神奈川地区では１０年ぶり、神戸地区では５年ぶり。ＩＴ業界ではデジタル変革（ＤＸ）の潮流などを踏まえた日本でのＤＣ投資が相次いでいる。

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  神奈川ＤＣ新棟の屋上に設置したターボ冷却機

ＮＥＣの新棟は温室効果ガス（ＧＨＧ）の排出量の削減に取り組む顧客ニーズを踏まえ、自然エネルギーによる冷却や高温冷水などを駆使し、ＤＣの電力効率を示す指標「ｐＰＵＥ」について国内最高水準の１・１６を達成した。併せて、生成人工知能（ＡＩ）の普及で引き合いが多い画像処理半導体（ＧＰＵ）サーバーなどに対応するため、ラック当たり２０キロワット超の排熱に対応できる高負荷対応のエリアも設置した。

サーバーを預かって運用するハウジングサービスでは顧客ごとの電力量を計測し、再生可能エネを１００％使っていることを証明するサービスも提供する予定。日本卸電力取引所（ＪＥＰＸ）から購入した非石化証書（残高証明書）を顧客名義で発行する。

国内ＤＣ市場をめぐっては外資勢の巨額投資が相次いでいるが、ＮＥＣの繁沢優香シニア・バイス・プレジデント（ＳＶＰ）は「すべてがパブリック（共有型）クラウドに行くわけではなく、オンプレミス（自社保有）対応とのハイブリッド（混在）化で差異化する」と語った。