(2024/5/21 12:00)
無添加化粧品で知られるファンケルは2017年にダイバーシティー(多様性)推進スローガン「みんな違ってあたりまえ」を掲げ、多様な人材が個性や能力を発揮して新しい価値を生み出し続けることを目指している。年齢や性別、障がいの有無、性的指向・性自認、国籍、人種、宗教などを互いに尊重して認め合い、生き生きと輝ける環境下でチームワークを発揮できるように努め、変革と価値創造を推進する。
化粧品メーカーのファンケルにはダイバーシティーの原点として、女性社員が中心となって活躍する風土が根付いている。男性社員向けの配偶者出産・育児支援休暇もいち早く導入し、育児休暇の取得率は100%。従業員は子育てや家庭での経験も生かし、製品やサービスを生み出してきた。
さらにLGBTQ(性的少数者)に対する理解促進のため、定期的に研修やアンケートを実施。22年度には、従業員の事実婚・同性婚について、原則として法律婚によるものと同等に扱う「パートナーシップ規程」を策定した。会社が認めたパートナーであれば配偶者として、家族の看護休業や育児休業、慶弔見舞金、赴任手当などの福利厚生制度を利用できる。
その一方、従業員有志は支援のための「LGBTQアライ」を立ち上げ、働きやすい職場づくりに向けた活動を展開。23年4月、その姿勢や取り組みを世の中に発信するとともに、知見を広げて環境整備に生かすため、ファンケルとしてLGBTQをはじめとするセクシュアル・マイノリティーの存在を社会に広めるイベント「東京レインボープライド2023」に協賛・参画した。
初めての参加・交流で「多くの学びを得た」(新村彩サステナビリティ推進室副室長)ことから、24年4月開催の同イベントに連続協賛。従業員24人が参加し、出展した同社ブースには約2000人が訪れた。「当社の思いや取り組みに対する理解と共感を得られた一方で、生の声を聞いて気付かされることもあった」(同)とする。参加者からは「みんなが自分らしく楽しめるイベント」「机上では分からない空気を実感した」といった声が上がった。
同イベントへの協賛・参画によりLGBTQアライの活動に加わる従業員が増え、社内啓発にも弾みが付いた。取り組みがステークホルダー(利害関係者)に認知され、ブランド価値向上にもつながっている。
(2024/5/21 12:00)
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