ヤマトが共同輸配送支援で新会社 トラックの空き、荷主と仲介

(2024/5/21 17:00)

ヤマトホールディングス(HD)は21日、トラックの空きスペースと荷主をマッチングして共同輸配送を推進するサービスを2024年度中に始めると発表した。物流事業者や荷主の参加を募り、オープンに連携する。混載輸送でトラックの積載率を高め、物流コストの低減やドライバーの負担軽減を図る。持続可能な物流網構築への協力を呼びかける。

  • 会見する高野茂幸SST社長(左)と福田靖ヤマト運輸執行役員

サービス開始に向け、同日付で新会社の「サステナブル・シェアード・トランスポート」(SST、東京都中央区)を設立した。マッチング用のプラットフォーム(情報基盤)は富士通と共同開発する。同業者の閲覧などを防ぐ仕様にしてセキュリティーを担保する。SSTは24年度内に第三者割当増資を行い、パートナーとの連携を深める。

同サービスを通じ、25年度末に幹線輸送で1日80線便を運行し、国内平均40%程度のトラックの積載率を70%に引き上げる。

現在のトラック輸送は1社の貸し切りが多く、人手不足が進めば運べなくなる。高野茂幸SST社長は「一番大事なのは商慣行の見直しだ」と話す。新サービスは混載輸送を促すため標準パレットの利用や定時運行を前提とし、高積載車両や中継輸送も利用する。「ヤマトの車両も使えるが、パートナーの車両を優先して使いたい」(高野社長)。

(2024/5/21 17:00)

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